コミュニティソング「じびきあみーゴ」で創作盆踊り

たてじまアートプロジェクト2016「えびすアートまつり」

「じびきあみーゴ」で盆踊り 10月30日「えびすアートまつり」
みんなで踊るよ!
南甲子園小学校のこどもたちと西宮今津高校の高校生との共同創作を7月から9月にかけての2回のワークショップで小手川望さんに織物のように構成していただきました。
ワークショップでは、70年前までの甲子園浜の記憶を歌った「じびきあみーゴ」に、南甲子園地区の未来の希望を振付にたくしてゆきました。
きれいな海、地引網の記憶
カエルが跳びはね、魚が泳ぐ
学校はづっとあって欲しい。運動会をやりたい。
南甲子園が大きな木が育つようになってほしい。
こんな希望を盆踊りにたくしています。
盆踊りの動画を見て、踊りを覚えてくださいね。
網引公園で10月30日(日)1時から披露します。
一緒に踊ろうね。

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高校生傀儡の旅~人形あやつりの道~終了

詳しくは、下記のFaceBookページで画像入りでご覧になれます。

たてじまアートプロジェクト実行委員会
https://ja-jp.facebook.com/tatejimaart

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高校生傀儡(くぐつ)がゆく

AAF参加プロジェクトとして2015年8月28日より30日まで「高校生傀儡がゆく~人形あやつりの道」の大道芸のたびに出ます。11874215_674753665992139_1107888613_nのコピー

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ピクトゥーラ(絵画)バトル

ムジカバトルに刺激されて、ピクトゥーラバトルを美術鑑賞研究の時間に試みた。

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ルールはこうだ。

ピクトゥーラ(絵画)バトル

1 図書館の中の画集から、自分が最も好きな絵を1枚選びます。ほかの人にわからないように別々のテーブルで始めてください。

2 画集を持ち寄り、自分のもっとも好きな絵を3分以内で、ことばだけでその良さをプレゼンします。発表者以外は、アイマスクをします。発表者は、絵を見ながらプレゼンしてかまいません。

3 自分以外の発表者のプレゼン絵を聞いて、一番見たくなった絵に、投票します。

4 最も投票数の多かったチャンプ「ピクトーラ」をみんなで鑑賞しあいます。発表者のどのような「言葉」でその絵を見たくなったか話しあいます。最後に、作品の解説を発表者にしてもらいます。

4 次点チャンプ「ピクトーラ」及び、全員の「ピクトーラ」をみんなで見せ合います。

チャンプ作品は、ターナーの森の木陰のベンチなどを描いた風景画。

投票の決め手は、発表者が「自分がこのベンチやったら本を読みたいと思う理想の場所なんですよ。」という言葉。

発表者にとって意味ある場所をみんなが見たくなってしまいました。

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第2回 ムジカバトルに3名参加

2015年7月11日に大阪音楽大学で『第2回ムジカバトル 大阪音大学生VS西宮今津高校生』が開催された。

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ムジカバトルのルールはこうだ。(大阪音大 西村先生、久保田先生 作)

ムジカバトル ルール

【基本ルール】

(1)お気に入りの1曲を決めます。

(2)5分間で自分はなぜその曲に惹かれるのか、その曲にまつわる思い出に残る体験などを交えてプレゼンテーションをします。

(3)それぞれの発表が終わったら、2~3分間その発表に関するディスカッションを行います。

(4)すべての発表の終了後、「どの曲が一番聴きたくなったか?」を基準にして投票します(発表者は自分以外の曲に投票すること)。

(5)最も多くの票を集めた「チャンプ曲」を発表し、その曲を聴き、ディスカッションを行います。

【注意事項】

(1)事前準備

発表者は、J-POP、洋楽、クラシック音楽などどんなジャンルでも構いませんので、自分のお気に入りの曲を決めて、音源を用意します。

 

(2)発表

発表者は、発表原稿を読み上げることをせず、またレジュメや資料を配布せずに、プレゼンテーションを行います。ただし、手元に、歌詞の一部や固有名詞などを記したメモを置くことは構いません。

 

(3)ディスカッション

発表内容について揚げ足をとったり、貶めたりするようなことはせず、うっかり聞き逃したことや分からなかったことの追加説明など「どの曲が一番読みたくなったか?」の判断をするための質問をしましょう。

 

*このルールは「ビブリオバトル 公式ルール」(http://www.bibliobattle.jp/koushiki-ruru)を参考

音楽を言葉にすると、その音楽との出会いの場面と、出会った本人のその時の思いとが音楽とシンクロする形で描かれることが多い。

音楽そのものの凄みを表現する言葉は、なかなか出てこない。

音大の学生さんたちは、個々に音楽との濃密な出会いと経験の只中にあるだけに音の表現が素晴らしく、かつプレゼンでの語りは歌うように話されるので高校生は完敗でした。

けれど、全てのプレゼンを聞いて、どの曲が聴きたくなったかというと高校1年生のNくん(彼の専門はすでに音楽学)が話してくれた「虚無五度」の話だった。話を聞いていてもさっぱりわからなかったので聞きたくなってしまった。それで、N君は第2回ムジカバトルのチャンプに選ばれたのでした。

ビブリオバトル→ムジカバトルと生まれたので

ピクトーラバトルを考えた。4月に美術鑑賞研究の時間にやってみる。

これもおもしろかった。

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アートおこしとアートプロジェクトについて

AAFのコラムに昨年末(2014年12月)に書かせていただいたコラムです。

AAFとは、アサヒアートフェスティバルです。

学校設定科目「今津プロデュース」で取り組んでいる「たてじまアートプロジェクト」で2012年、2014年、2015年と参加させていただいてます。

http://www.asahi-artfes.net/news/2014/12/42npo.html

 

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「新しい学力観」流れの中で中高教育を見ると

西宮今津高校の2014年の研究誌に「キャリア教育の中心は、探究的学びの力」という内容の一文を書いたのですが、その一部を抜粋加筆しています。文科省の出している文章に課題解決という言葉がたくさん出てきますが、「探究的学び」といった「探究」という言葉がほとんど見当たらないことに違和感を感じています。これは、人文学切り捨ての発言などと連動しているように思えてなりません。私は、美術教育の立場から、探究と美術教育、汎用的な社会人基礎力と美術教育との関係について考えようとしています。

 

中央教育審議会への諮問が始まり、次期学習指導要領改訂への議論が始まった。大学入試も2020年度から、これまでの知識習得の評価からその活用能力の評価へと軸足をスライドさせてゆく方針が新聞報道されている。その背景は、h26年11月20日付の中央教育審議会への「諮問理由」から読み取ることができる。(文部科学省ホームページより閲覧可能)

諮問理由の冒頭には、「現在の子供たちが成人して社会で活躍する頃には、・・・生産年齢人口の減少、グローバル化の進展や絶え間ない技術革新等により、社会構造や雇用環境は大きく変化し、子供たちが就くことになる職業の在り方についても現在とは様変わりすることになるだろう。」と書かれている。この未来予想は、「個人の夢の自己実現」といった「憧れや夢への道筋を進路研究の中で描き、自らの動機を高め進路実現する」手法のキャリア教育では、対応できない厳しい現実の到来を予感させる。

さらに「諮問理由」を読み進めると、これまで以上に「課題発見力」「課題解決力」「主体的・協働的な探究力(リーダーシップ・チームワーク・コミュニケーション)」「学びの成果を表現する力」などに重きが置かれているのがわかる。これまで同様、「基礎的学力」「豊かなこころ・健やかな体」と前述の「新しい能力」とのつながりを明らかにし、「我が国の子供たち」の弱点である「判断の根拠や理由を示しながら自分の考えを述べる力」「自己肯定感」「学習意欲」「社会参画の意識」を高めてゆくことが「課題」としている。

大きな流れとして上記の取り組みに共通しているものとして「ある事項に関する知識の伝達だけに偏らず、学ぶことと社会とのつながりをより意識した教育を行い、子供たちがそうした教育のプロセスを通して、基礎的な知識・技能を習得するとともに、実社会や実生活の中でそれらを活用しながら、自ら課題を発見し、その解決に向けて主体的・協働的に探究し、学びの成果等を表現し、更に実践に生かしていけるようにすることが重要である。」としている。

これは、日本の雇用のスタイルが終身雇用から、派遣雇用枠の拡大と変容する状況に対応させた流れと読みとることができる。

社会人基礎力(図1)と呼ばれる、企業・社会機関にとっての即戦力の人材が持つ能力の研究は進んでいる。

社会人基礎力と評価の合体

(図1)

社会人基礎力は、(図2)のように、職場や地域社会で活躍する上で必要な能力の中心部分を占める力ではあるが、基礎学力、専門知識、人間性や公共心などとのつながりの中で位置付けられている。

職場や地域社会で活躍する上で必要となる能力

(図2)

 社会人基礎力への前段階として大学生が卒業時に獲得すべき学士力(図3)が下記のように考えらている。

各専攻分野を通じて培う学士力

(図3)

高校においては、文科省高校教育部会で議論されてきたコア(図4)つながり、小・中・高・大のつながりを次期学習指導要領の改訂に色濃く反映されようとしていることが読み取れる。

高校生コア修正済

(図3)h26年3月初等中等教育部会高等学校教育部会審議まとめ(p17)

このような動きが「従来のメリトクラシー(能力主義)を拡大し人格の深い部分まで浸食するような「ハイパー・メリトクラシー」につながっているという批判や、他者との関係性の重要性や社会の側の責任を見えにくくするという批判もある。(「高校・大学から仕事へのトランジッション」p94 松下佳代より引用)」

 

※「ハイパー・メリトクラシー」とは、教育学者の本田由紀氏による造語で、直訳すると「超業績主義」。日本の近代社会が、学歴をはじめとする手続き的で客観性の高い能力をが求められてきたという意味で業績主義(メリトクラシー)的であったのに対して、今日では、コミュニケーション能力をはじめとして独創性、問題解決力といったより本質的で情動に根ざした能力が求められているポスト近代社会に移行しつつあるとして、そのような社会を「ハイパー・メリトクラシー」と呼んでいる。

 

①「「コア」要素を含む資質・能力(イメージ)」モデルは不十分

全ての高校生が身につけるべきコアの中には、美術教育の成果としてあげられる豊かな感性、創造性といったキーワードが見当たりません。これに危機感を感じて、2013年7月に美術工芸近畿代表者会の折に、当時コアの議論に関わっておられた高校教育部会特別委員の神戸大学教授川嶋太津夫氏に講演いただきその真偽を確かめる会を持ちました。川嶋先生からもコアに示された創造性には、経済に関わるイノベーションを生み出す創造性を前提としているという指摘がありました。

コアの中には、創造力や構想力なども盛り込まれているが、ここで使われている創造力や構想力は、社会的なイノベーションをおこし、経済に役立つことを想定した理系の創造力や構想力と読みとれるのもコアに含まれる汎用的な能力としては、不十分だと思える。それは、芸術教育の立場から不足が見えてくるのだが、一人一人の市民が限られた資源の中で豊かに工夫しながら文化創造してゆく「ブリコラージュ」力を含んだ創造性をも含むべきではないだろうか。創造性という言葉を科学的イノベーションに特化させる使用には反対である。

また、課題解決力のベースには探究的学びの力が必要である。この探究的な学びには、答えのはっきりしない問いに対して答えになるかもしれない答えを見つけ出す営みが含まれている。答えを見つけ出す営みには「真・善・美」 を志向する感性が必要である。このような感性の獲得は芸術教育抜きに可能だろうか?

工業生産の生産ライン上でのトラブルを解決することが課題解決だと考えているとしか思えない課題解決という言葉の乱用にはうんざりである。

h26年度3月に示されたコア(図3)には、人文系・芸術系によって形成される力が具体的に書かれていない。この点に危機感を感じている。

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2015福井大会 アートプロジェクトが美術の学びの意味を鮮明にする

2015年8月19日から21日に福井で開催される全国高等学校教育研究美術工芸福井大会で発表する原稿です。これも、参加される一部の方しか原稿を見ていただく機会がありませんので紹介します。第1分科会での発表です。

~アートが生まれる現場を体験、運営し、汎用的な力を伸ばす~

1 はじめに

美術の授業の中で、生徒が卒業して、社会人となり、役立つ汎用的な力は育つのだろうか?

下の表は、文科省の高校教育部会でh26年3月初等中等教育部会高等学校教育部会審議まとめ(p17)に示された、高等学校教育の中核となるコア、つまり、高等学校の教育の中で全てのこどもたちに身につけさせたい資質・能力についてまとめられた表である。この表の中には、これまで美術教育関係者が訴えた美術教育によって培われる力が明確に示されていない。

コアイメージ図

アートプロジェクトを授業の中で実践すると汎用的な力も育つ。アートプロジェクトを高校生が取り組むとどのような化学変化が高校生におこるかというと

①当事者意識(責任感)を持つようになる。

②自分たちのつくったものが喜ばれていると実感

③地域のことがわかる

④社会の中でアートが意味あるものと実感、同時に自身の内にアートが生まれる。

ただし、アートプロジェクトは地域との信頼関係の中で着実に進める必要のある手間暇のかかる題材である。

 

2 授業実践「たてじまアートプロジェクト2014」から生徒が身につけた力を検証する

3年次生美術系専門選択・学校設定科目「今津プロデュース」は、週3時間の中で高校生が「たてじまアートプロジェクト」の運営の主体として企画・実践する授業である。平成26年度は7名の生徒が受講した。平成21年度からスタートした。これまで、のべ100名の生徒がこの授業を経験し、卒業していった。「たてじまアートプロジェクト」の詳細については、『文部科学省 平成26年度 中・高生の社会参画に係る実践力育成のための調査研究報告書』を参照されたい。

 

-①<授業の目標>

・高校生のアートの力で地域を応援するアートプロジェクトを実施する。

・地域のこどもたち、住んでいる人や地域(商店街)をアートで元気にする。

・アートが生まれる現場体験からアートの価値観を育て自らの生活場面でアートを使える人になる。

②<年間の5つの活動>

・西宮、商店街の現在や歴史を学び、地域の抱える課題や西宮の魅力を理解する。

・地元甲子園のまちあるきをこどもたちと行い、こどものつぶやきを集め音楽家の協力の下、地元応援歌を作る。

・こどもたちから募集したイラストを拡大・たてじまデザインする「たてじまアートボード」を制作する。

・西宮の失われた伝統芸能「えびすかき」を現代版で創作上演する。

・こどもたちと高校生が出会う「たてじまえんにち」を企画運営する。

・事後の振り返りを次の学年に伝え、「たてじまアートプロジェクト」から生まれる商品企画を行う。

 

<たてじまアートボードの新甲子園商店街での展示>

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<現代版創作フィギュアえびすかき>

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<たてじまえんにちで応援歌づくりのワークショップ>DDG_2230_1<みんなで記念撮影>

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1年間をかけて準備・運営する授業実践で、生徒がどのような力を身につけたのか、社会人基礎力などの項目を参考に「今津プロデュース」受講生徒にプロジェクト実施後にアンケート調査を実施した。

-③4月当初と比べ、プロジェクト実施後に身についたと感じる力調査

(解答選択肢 1変わらない 2深まった/身についた 3よく深まった/かなり身についた 4完全に理解/非常に身についた)

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この結果を見ると、高校生がアートと社会の関係について深く考え、地域をより理解しようとしたことがわかる。また、自分の感情を抑制しながら商店街の課題や作品を応募してくれたこどもたちの気持ちを受け止め、他者への傾聴の姿勢が増していることがわかる。つまり、コアに示されている「主体的行動力」が身に付き、地域(社会)に対して「創造力、構想力」を発揮しようとしているのがわかる。また、プロジェクトの中で、高校生たちは地域の課題を発見し、プロジェクト終了後に実施した地元発信商品企画などの発想に生かすことが出来ていた。

④プロジェクト終了後におこる素敵なコミュニケーション

プロジェクト終了後、イラストを描いてくれたこどもたちから担当した高校生に手紙が送られてきます。

小学1年生のSくんから「ぼくは、ぞうのはながすきだよ。りゆうはかっこいいからだよ。いろがかんぺきにぬってくれてありがとう。かぞくみんなでみにいきました。ほんとにかっこいいとおもいました。おとうさんもびっくりしていました。えがかんばんになっていたのでうれしかったです。すてきにかいてくれてほんとうにありがとう。」

Sくんのお手紙

もう一通、お母さまの手紙にはこうありました。「日頃共働きでゆっくりと息子と向き合う時間をなかなかとってやることができず、今回の機会でたくさん話をすることができました。いつもつたない絵で、何を描いたの?これはこう描くの!と、こどもが描いた絵をまずは受け止めることをせずにいたので、こどものありのままのイラストをのびのびと描いている点を評価して下さり、ありがたかったです。こどもの今しか描くことのできない自由な線をあたたかく捉えていただき、商店街を彩る一枚となって、こんなにも嬉しいことはありません。なにより息子が看板を見て『カッコイイ!』とまず一声、とても弾んだ声で言って、一緒に「そうだね」と喜びました。」

手紙を読む高校生

このような経験を通して、生徒たちは、自分たちのしたことが社会から感謝されていることに気づき、自己評価を高めてゆく。同時に、アートは高い技術力が前提ではなく、こども×高校生のような不思議な組み合わせによる共同創作で生まれ得るものなのだと学ぶ。

 

3 まとめと課題

アートプロジェクト(プロジェクト型)の授業は

①社会人基礎力が育つ

②地域に関わることで市民性が育つ
(もやもやした課題をアートでゆるやかに表現し解決に近づこうとする)

③一人一人の内にアートの火種が発生する(→生涯にわたって芸術文化を愛好する態度を育てる)

コアイメージ追加図

前述の高校教育部会のコアの図にもどってまとめると

アートプロジェクトは

①社会を豊かにする創造力・構想力を育てる

②社会を豊かにする市民性を育てる

表現は市民自治のベース

西宮今津高校では、アートは、全てのこどもたち、全ての高校生、全ての大人たちに開かれていることを教室の中で伝え、誰もが表現者たりうる美術教育を実践している。例えば教室では、「居場所がある」「誰もが五感で感じた声をあげていい」という前提からスタートする。まず、声を上げることで自分が感じた違和感のようなものに大まかな輪郭がつくられる。声をあげ大きく輪郭がつくられると、イメージが生まれやすい。イメージ化することにより課題はより鮮明になる。この流れが探究的な学びを進めるのに必要な、違和感から真理を探し当てる探究に欠かせない、基本となる資質である。この資質は、表現行為の中で形成されるものではないだろうか。

次に、その声が私と社会との関係の中で発せられた時、表現は社会(コミュニティ)における市民自治の基層部を多様に支える多様な市民の声となる。人は、政治的な発言の前に、私と社会との違和感に対する声をあげることができる。この声をあげるという表現の形こそアートにとって本質的な営みであり、だれもが自己生成可能なアートの価値となる。

これまで、美術教育は、20世紀の芸術活動の後追いの中で構想されてきたが、明治期以前のコミュニティの中でつくられた「伝統文化」「まつり」の要素も美術教育は本来持っている。地域には失われた文化・伝統もあり、アートで地域を照らすアートプロジェクトは、失われたものに光をあてる表現にもなる。歴史・民俗を掘り下げ、現在の地域課題に向き合う手段としてアートを使い尽くす発想の中で、美術教育をとらえなおしている。

展覧会やコンクールを想定した優れた作品を制作することを目的化した実践ではなく、まちの特色や伝統、祭りの要素から全ての人が参加・制作可能な誰もが創れるアート要素も加え、平安後期から鎌倉時代ぐらいまでのスパンでもう一度掘り下げて、現代に意味を持つ失われた文化をも含めて私たちの教育の財産と考えて美術教育をつくりかえてゆきませんか?

<追記>

学校教育での教科「美術」には、大きな目標「主体性」「クリエイティブな資質・技能」「豊かな感性」「芸術文化を愛好する心情」など学習指導要領で示された目標の共有は必要であるが、そこにとどまってのみ教科「美術」が題材を構想すると学校教育の中だけで特殊に生き残るガラパゴス「美術」が生まれてしまうことを危惧する。

教師は常に「人にとってアートの意味は何か」という問いを日々更新しながら美術の教育にあたらないといけない。その上で、学習指導要領には含まれていないけれども意味ある教科の目標も研究会の場では提案してゆくことが学校教育としての「美術」をより豊かに教科外の人からの共感を得られ支えられる教科になると考えている。その意味で、発表の場ではモヤモヤしながら、自宅に帰って「そうか!」と思ったことがある。

アートプロジェクトなどの社会との関わりを前提としたプロジェクト型の授業では、コアの図に示された「創造力・構想力」に「社会を豊かにする創造力・構想力」を加え、さらに、「社会を豊かにする市民性」としたい。「社会を豊かにする」という文言を2つの力に加えると「芸術科美術」につながっていることが読み取りやすくなる。「美術」によるアートプロジェクトによって育った力の延長上に「高校でみにつけるべきコア」の力が加わるのである。全国の美術の先生がプロジェクト型を取り入れることで「社会を豊かにするには高校での「美術」が大切ですね。」と市民の声があがり、「多様なアートが生まれるのは、やっぱり教育の力ですね。」と言われるようにしたいものです。

発表の後は、悶々としているので助言者に切り返せなかったのを悔やむのでした。

参考

H26年度文科省 中高生の社会参画に係る実践力育成のための調査研究報告書(h27年3月31日発行)

教科でキャリア教育美術(キャリアガイダンス2013年10月号)

クリックして2013_cgno48_36.pdfにアクセス

「教科を越えて共有できる「学び」を探る」キャリアガイダンス2015年2月号

クリックして2014_cgvol406_42.pdfにアクセス

プロジェクトの詳細については、以下のHPをご参照ください。

たてじまアートプロジェクト実行委員会

https://www.facebook.com/tatejimaart?ref=hl

たてじまアートプロジェクト ブログ

http://artokoshi.wordpress.com/

 

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授業発のアートプロジェクトが地域のお祭りに!! 

兵庫教育の6月号に原稿を書きました。兵庫教育の読者は一部の方々ですので、ブログに公開します。

~地域のネタが種となり「今津プロデュース」7年目のチャレンジ~

授業でアートプロジェクトに取り組んでいる。3年次生対象の美術系選択学校設定科目「今津プロデュース」という授業で、今年も14名の生徒が『たてじまアートプロジェクト2015』に向けた準備を進めている。

2015年度今プロに取り組む生徒

野球の聖地である甲子園球場に近い甲子園網引町の象徴的なイメージとして「たてじま」の名称を使い始めて5年目となる。西宮や甲子園のことを調べ、地元から掘り出したネタを種として、高校生のアイデアと行動力を生かし地域の尊厳と元気の回復につながるアートを高校生が創りだす。

高校生がつくるアートの一つは、小学生のこどもたちの原画に高校生のたてじまデザインを加えた共同創作(コ・クリエイト)によって生まれる。今年こどもたちに募集している原画のテーマは「こーんなおまつりあったらいいな」である。集まったおまつりのアイデアを取り入れて、「たてじまアート祭」を授業で企画してゆく計画だ。

また、西宮には1000年以上続いた傀儡師(人形遣い)によるえびす信仰を伝える「えびすかき」と呼ばれる芸能が続き淡路人形浄瑠璃や文楽のルーツともされるが、明治期に途絶えてしまう。このようなネタを種にして、現在に「えびすかき」を再生させるとすればどのような表現になるだろう?と考え、オタク系アニメと合体させた高校生現代版フィギュアえびすかきにも取り組み4年目となる。

h26年度西宮大道芸祭で上演

昨年度西宮大道芸祭りで上演

また、地域の歴史を調べると甲子園浜では60年前までは良質のイワシが獲れていた話を地元の元網元の方より伺う機会があり、地元の応援歌「じびきあみーゴ」を制作したのが2年前である。

「たてじまえんにち」で録音

音楽ワークショップで地元応援歌1

昨年は、「ぼくらのまちコウシエン」を制作した。

これは、プロのミュージシャンの協力が必要となるが、80代以上の世代が記憶している甲子園浜を地元応援歌にして現在の高校生やこどもたちに記憶を共有してもらうことは意味あることと感じている。今年は、甲子園の町に残る阪神間モダニズムの痕跡を訪ね高校生目線の応援歌「モダン甲子園」の準備を5月より始める。

これまで、甲子園球場から南西に200m、中津浜線と酒蔵通りの交差する場所に新甲子園商店街のアーケードや隣接した網引市民館を会場に「たてじまえんにち」を実施してきたが、誰もが参加できるよう網引公園にアートやぐらを作り、その周りに地域のこどもたちの集うお祭りにしようとしている。小さな企画を合わせると10企画になるが、束ねるとお祭りになる可能性が見えてきた。その全てに高校生の担当者がつき、現在、中身や手順を話し合っている。商店街への連絡も担当のお店が決まっている。「たてじまアートプロジェクト2015」今年のチャレンジは、これまでの取り組みを集約した地域のアート祭を開催し、地域に根ざしたお祭りに育てることだ。

さて、このようなアートプロジェクトによる学びが高校生に何をもたらすのか。

一つは、商店街や原画を描いたこどもたちから感謝され、高校生の表現で感動してもらえることを実感する。二つ目は、アートをうまく使うと社会への関わりがやわらかく、おだやかに進むことを知り、自分の発想で出来るかもしれない、というアートによる社会参画意識の高まりである。三つ目は、プロジェクトに関わった授業メンバーに絆が生まれ、やって良かったという達成感の多くの部分を占めていることである。

また、プロジェクト終了後には、素敵なコミュニケーションも生まれている。

手紙を読む高校生

届いた手紙を読む生徒

イラストを描いてくれたこどもたちから担当した高校生に手紙が送られたりするのです。

Sくんのお手紙

小学1年生のSくんから「ぼくは、ぞうのはながすきだよ。りゆうはかっこいいからだよ。いろがかんぺきにぬってくれてありがとう。かぞくみんなでみにいきました。ほんとにかっこいいとおもいました。おとうさんもびっくりしていました。えがかんばんになっていたのでうれしかったです。すてきにかいてくれてほんとうにありがとう。」

もう一通、お母さまの手紙にはこうありました。「日頃共働きでゆっくりと息子と向き合う時間をなかなかとってやることができず、今回の機会でたくさん話をすることができました。いつもつたない絵で、何を描いたの?これはこう描くの!と、こどもが描いた絵をまずは受け止めることをせずにいたので、こどものありのままのイラストをのびのびと描いている点を評価して下さり、ありがたかったです。こどもの今しか描くことのできない自由な線をあたたかく捉えていただき、商店街を彩る一枚となって、こんなにも嬉しいことはありません。なにより息子が看板を見て『カッコイイ!』とまず一声、とても弾んだ声で言って、一緒に「そうだね」と喜びました。」

Sくんの原画    完成アートボード

s君の原画と完成画

このような経験を通して、高校生たちは、自尊感情の高まりだけでなく、地域社会の理解、社会の課題解決のための構想力やコミュニケーションの力など、社会人として必要とされる汎用的な力も少しづつ身につけてゆく。

さまざまな特色ある地域に学校は点在している。地域を掘り下げて、人と人とがアートでつながる仕組みを高校生の学びの中でつくることで、今までにない豊かな世界が拡がってゆく。

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美術部の尾道合宿の前にワークショップ

A6大の画用紙に、あらかじめ青や薄い緑、等々、さまざまな色、正方形や長方形や円や楕円などを描いた画用紙を各自に渡す。

ワーク1ワーク2

 

A6の画用紙に描かれている形と相似形で異なる色の形を加えて、画面がより色鮮やかになるようにする。同時に、構成も考えて画用紙の余白を感じさせない画面や余白が魅力的に見える画面にする。

一人3枚以上。

出来が悪かった、と思うA6画用紙から出す。一人2枚の付せんを持つ。

いいと思う作品に付せんを貼る。

付せんの貼られた作品のみ残し、付せんを貼った人に「何がいいのか」説明してもらう。最後に描いた本人にも一言制作意図について話してもらう。

出来が良かった、と思う作品も同様にすすめる。

構成の簡単なツボも伝える。

最後に、自分の作品に付せんが何枚集まったのか、10名の部員に報告してもらい、他者のの目に留まる戦略を持つことの大切さも伝える。

尾道には、8月3日より行く。いい作品が生まれるかな?

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